銀河の果つる音
斗宿

リンと
鈴の音鳴るやうな
シャンと
玻璃の砕けるやうな
ピンと
水の凍るやうな

切なく淡き
音に誘はれ
我が魂は迷ひ出で
我が魄は舞ひ出づる

    リン
    シャン
    ピン

      リン
      シャン
      ピン

        鼓動リズムにのりて
        銀河は震へ
        領巾ひれをなびかせ
        我は舞ふ

   リン
   シャン
   ピン

     リン
     シャン
     ピン

        紅差すくちびる
        唄を紡ぎて
        重ぬる声音に
        銀河は悶ふ


    リン
    シャン
    ピン

      リン
      シャン
      ピン


砥いだ白刃啼くやうな
銀の風琴流るるやうな
氷河が海へ還るやうな

強くも儚き
音に魅せられ
迷ひて舞ひて
舞ひて迷ひて
流れつきしは
銀河の果てか


銀河は

その命果つる時
どこまでも澄み
どこまでも美しき
魂酔はす音を奏でながら
砕け逝くのであろふ


自由詩 銀河の果つる音 Copyright 斗宿 2004-07-07 05:35:45
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