お砂糖不全
A道化








訳もなく
お砂糖の糸の溶けて漂う
コップの中の水の宙が
明るい、そこへ
悲しい左目から順に
預ければいい


ほら
眼球が融けて、眩しい
それから右の頬をテーブルに
流して、ぬくい


ねえ、お砂糖は
テーブルクロスの花柄にも
どこにも、ゆけないのだ
初めから諦めて
抗わず、残らず
その場で溶けて消えたら


あ、
あ、あ。
今、春が
何故また少し苦くなるの


2008.4.20.


自由詩 お砂糖不全 Copyright A道化 2008-04-20 02:45:55
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