重脚
黒川排除 (oldsoup)

瓦礫と郵便ポスト白く白く輸入

歩み寄る 影で谷底汚すべく

伝え聞く神話の沖にブイひとつ

島に立ち残像から残像見下ろす

和紙の空二重に見え足首から見た

まだプールに飛び込む音が聞こえ月光

斜面進む歩幅にコップ隠す野火

声帯を駆ける子ら幾条の雲

ピアノの色目障りにガラス挟んで二者

溝洗う雨賑わいは消え鉄杭

綿毛に乗って理由が来た口を結んでいる

巨大なレンズの下に牧草をはむ牛

金属板の歯をガムで埋め幼き日

滴りを遡る昼下がり留守

一体どこから来て十字路が四角になるまで

海を降りてゆく降りてゆくのみ

明るみに駒ひとつ無垢にして孤独

家が水平に動く手前の枝の鳥

髪撫でる冷蔵庫上のモーター付近

路面に画家画布を掛け長き縦を長くかく


川柳 重脚 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2008-04-19 01:19:25
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