宇宙ノ木 
服部 剛

わたしの心と体というふたつは 
風の息吹に包まれながら 
透けた紐に結ばれたひとつです 

体が体のみならば 
わたしは只の人形です 

心が心のみならば 
わたしは只の霊魂です 

あなたとわたしというふたりは 
大きな樹木の枝葉のように 
一本の幹に結ばれたひとりです 

あなたは枝かもしれません 
わたしは葉かもしれません 

一本の大きな樹木は 
一人の大きな人であり 

あなたは腕かもしれません 
わたしは掌かもしれません 

この手紙を 
読んでいるあなたと 
書いているわたしは 
時間と場所を越えた 
それぞれの場で呼吸しながら 
切り離されず 
透けた紐で結ばれて 

宇宙に張り巡らされる  
一つの巨大な巣のような 
コスモの糸の根の上に 
うっすらと独り立つ 
宇宙の木 

地上の人々は今日も
周回軌道上を巡る  
独りひとりの 
惑星です 








自由詩 宇宙ノ木  Copyright 服部 剛 2008-04-18 18:57:42
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