桜花散想
ゆきのかけら(翡翠)

風に舞う薄桃の花びら
躰に触れる度
心を暖かくするから
まるであなたに
触れられているように
心奥(しん)が震えていくよ

温度差が象徴する距離
貴方と私の隙間は
二人を強くするよう
そしてさらに
切なく引き離すように
四季に埋め尽くされていくよ

あなたにすべてを伝えたい
私の周りにあるもの
私を変えていくこと
目を彩っていく風景
相変わらず心に居座るあなた
其れを一途に見つめ続ける
私の…あなたへの想い

目の前が花びらで霞んでいく
あなたが少しだけ見えなくなるのは
春だからだと思っていてもいいですか?
あなたとは離れられないといい
細い糸をのこし切ったわたしを
あなたは最後を切らずに待ってくれていますか?

薄桃が埋め尽くしていく
紛れていく
見えなくなる
花びらが散り掠れる音が
かき消していく
聞こえなくなる
"きっとあなたは手を離してしまうよ"

他愛のない話と移ろう景色
何時か出逢うと紡いだ約束
ふわりとよぎる度
手を延べたくなってしまうから
ちらり手のひらに
降りた花びらを握りしめ
心にあなたとその色を広げていくよ



自由詩 桜花散想 Copyright ゆきのかけら(翡翠) 2008-04-17 21:30:35
notebook Home