彩春
たのうち

春が訪れて
桜の花が優雅にひらく
一方 私は
どんなにその絢爛さを愛でてみても
開き誇れる蕾をもたない



春が訪れて
蒲公英たんぽぽの種が風にさらわれる
一方 私は
どんなにその自由を羨んでも
風に踊れる身軽さをもたない



春が訪れて
人々の笑顔と歓声が周囲にあふれる
一方 私には
どんなにその賑わいに溶け込もうとも
共に喜び語り合えるあの人がいない


自由詩 彩春 Copyright たのうち 2008-04-13 20:37:03
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