豪華客船
揚羽 欄符

見ないでくれ、と
言わんばかりの波の光に
同じ波長を持って感嘆した

素晴らしい嘔吐だ!
(あと、どのくらい乗るのだろうか)

デジタル時計が点滅する
60のテンポ、生活のリズム
落胆した肩に降りた 耳障りな声が
また三半規管を舐めまわす
(一緒に歌を歌いましょう)

吐き気。

どうしようもなく破れていく鼓膜に
震えながら蓋をした、が、
すぐに肩を叩かれた

 再生。再度、再生。

現実を考えれば
歌わなければならないのだが
(リズムに合わせて)
相手の好きな歌など知る由もなく
慌てて音を出した

「酔い止めをください。(お酒とタバコ)」
止めた方がいいと
言われていたのに
メトロノームは動き出す

たどたどしい口には 必要だったから


狂った音に 気付かないように



日が沈むまで




のたうちまわったり、なんかして

(カラカラのどが笑っても)




自由詩 豪華客船 Copyright 揚羽 欄符 2008-04-13 00:42:51
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