まださみしいんだよ
春日

見えている終着地点を目指してみて

ときおり、きこえた、きみの、こえ
『まださみしいんだよ』

全ては逃げるためなのだと
分かり切った言い訳をさけている胸に押しこんで
カメラのレンズにうつったゆがんだあたしの顔
どこまでも元には戻せそうになくて


きみは数字が好きなのだといったね
毎晩そらに指で計算式をかいた
小学生レベルの足し算がきみのことばで無限にむずかしくなる
1+1=2を証明するのはものすごく難解なのだけれど
それでもきみとわたしは二人で一つだと言った
いとしいこえは今でもわたしの中で反芻している


さいきん気付いたんだけど(、きみとわたしが出会った事の意味に)
さいきん分からないんだけど(、セックスをしてもどうして体は一つになれないのか)

さいきんどうしようもなくただどうしようもないんだけど




見えている終着地点を目指していて

ときおり、きこえる、きみの、こえ
『まださみしいんだよ』


わたしもほんとにまださみしいんだよ、


自由詩 まださみしいんだよ Copyright 春日 2008-04-12 17:09:19
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