桜散りゆく
山崎 風雅


 やすりで刻まれる心をあの手この手であやす日々
 救いを求めてちっぽけな独り旅
 白い視線はいつものこと
 無邪気な少女達と柔らかな風
 目の前にひとひらの桜の花びらが舞い落ちる
 
 桜か桜か
 聞いてくれるか桜よ桜
 辛いよ 
 泣きたいよ
 泣けないんだ
 なんとかしなきゃいけないんだ
 桜よ
 散っていくのか
 お前はいいな
 みんなに愛されて
 せめて
 そこの自販機で酒を買ってくるからしばらく眺めさせてくれないだろうか
 お前はいいな
 みなから愛されて
 
 桜か桜か桜か桜よ




自由詩 桜散りゆく Copyright 山崎 風雅 2008-04-12 12:04:53
notebook Home