yo-yo

山国で育った


目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった


そうやって彼は
ときどき山を越えた


どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
海のかたちをなぞる
きらきらとしんしんと
星が流れた


まぶたの裏に
だいじにしまい
しまい忘れる


いつしか
目をあけても
海がある
もういちど目をとじると
とおく鯨のように
山があった




自由詩Copyright yo-yo 2008-04-11 06:17:57
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