ビーグル
士狼(銀)


かみさま、
ぼくの手はどうしてこんなにも
醜いのですか
骨を辿る指先も
愛するための掌も
確認する手首すらも
きもちわるい
のに

桜が散ってしまって
ごめんね、ビーグル

きみはこんなにも純粋なままで
死んでゆくの
さよなら、ビーグル
きみは何も教えられないままで
ぼくが殺すの
ごめんね、ビーグル
さよなら、ビーグル
ごめんね。

かみさまかみさま、
ぼくの声を聞いてください
聞き流してくれて構わないから
かみさまかみさま、
ぼくはあなたを信じないけれど
かみさま、
神さま。

どうか、と
祈る心だけは嘘ではないから


ありがとう、
ほんとは名前で呼びたかった。



自由詩 ビーグル Copyright 士狼(銀) 2008-04-09 21:22:39
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