金 土 日
山内緋呂子

金 土 日 の夜が怖い
私の好きな人には 恋人がいる
彼は サラリーマンなので 金 土 日 は恋人の家に泊まる
夜11:00 1:00 起きていれば 彼のことを考える
彼のことを考えるのは 楽しいが 彼と その恋人を想う

うまく眠れても 夢に必ず 彼が出てくる
扉を開けると 彼が はだかで こちらを向く
場所はいつも 私の家の納戸
私がまだ 彼の裸を覚えているのが 悪いのだけれど

納戸には 母が若い頃の 素敵な服が たくさんあって
借りたいときには 必ず ネコを放してから 入室する

金 土 日 だけ飲む睡眠薬が 最近は もう 効かなくなってきた


自由詩 金 土 日 Copyright 山内緋呂子 2003-09-07 11:45:01
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