美しい日
COCO
眠れぬ夜を越え辿り着く時
身からこぼれる無彩色な雫たち
こぼれるほどに身は透明になり
私はついに記憶を失う
この狭間の中で
行き着いたのは鏡の世界
映し出された情景に
子供の如く泣き叫び
震える拳を振りかざし
夢中で殴り続けていた
殴り疲れたころ鏡は
もう形を失い私と共に
虚しく床に散らばりつくす
それでも血まみれた腕は温かく
抱きながら私は歌う
小さく光るかけらには
笑う君が映るのに
私はもう
体温すらなくし
血と共に流れた熱は
目隠しをして彷徨っていた
気が付けば
あふれきった
無彩色な雫たちは
この眠らない街に沈く
君は透明な私を見つめ
手をとりそっと色付ける
彷徨う熱は空が包み
赤紫に輝いていた
それは美しく
君は美しく
全ては美しく
私はまた生きると言った