花粉、症。
揚羽 欄符

極論を語るなら
井戸から水を汲んでも
砂漠を歩くには 少なくて

優しさの濃さを 知らなきゃならないのだけど

そうそう汲み取れや しないもので。



花の中においでよ、と
言われて包まれた所は
酷く黄色が、強く
くしゃみが出た。

くしゅん、
くしゅん、
(どうしよう!)

花弁を開いて外に出ると
涙は、 止まらない
甘い蜜の香り
黄色い光よりも、強い     


    光。


憂鬱を照らし出すから
また ハナを刺激 する。

くしゅん、
くしゅん、
くしゅん、くしゅん。

意味を見出そうと
抗えば、
本や音楽、人、人、人。

それらはただ 流れて
右手を
脳を
混乱させる
アルコールのような麻痺を残してハナが、


ハナが疼く
水も汲み取れないままに
今日も蜜を
漂わせて。



自由詩 花粉、症。 Copyright 揚羽 欄符 2008-04-08 00:39:58
notebook Home