だから何?というわけではない。
安曇璃夢

私はスーパーでアルバイトをしている。
部門は最初は精肉―ひき肉だったり、焼肉用の肉だったりウインナーだったり置いてる部門―
今は肉だけに留まらず生鮮関係全部門を回っている。

そんな生活を始めて早3年。
作業も場所も単調といえば単調になり(当然だが、それでも真面目にはやる)、ひとつ背伸びをしてからバックヤードを出る。

今日もいつものように値引きシールを片手に「おつとめ品」と呼ばれる品を作っていく。
翌日分の消費期限の物はお店として売っちゃいけないから、値引きをしてその日のうちに売ってしまおうという魂胆だ。
無駄な廃棄を増やさないお店の指向と、安全であれば品物を安く買いたいお客様の考えとが合致したシステム。

今日は水産部門だ。鮮魚・魚の加工物を扱う部門。
味噌漬け・干物・釜茹でのしらす・・人様は本当に色んな食べ方を身につけたもんだ。としみじみ感じる。
これほど、元の素材とは違う味覚を考え出すっていうのは、他の動物じゃありえないのではないだろうか。

あらためて、人間は欲の深い生き物なのだな。と思う。
今更何を思っているんだ。と思った時にお客様の声でその思考は停止した。


散文(批評随筆小説等) だから何?というわけではない。 Copyright 安曇璃夢 2008-04-07 23:42:28
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