絶望を避けながら
beebee



遠い日に想い出すことはなに?
近い日に想い出すことはなに?
振り返りながら君は笑って言う。
なんだろ、何かあったっけ。

真に孤独である意味はなんだろうか?
真に自由であることはどうあることか?
だから答えを求めて僕は彷徨ったんだ。
道から道を尋ねる旅は続いた。

寒い日は両手を擦り合わせ、
白い光の中で孤独な愛をめぐらした。
暖かい日はあなたのえりあしの匂いに酔った。
世界の果ての港町で夕日を見上げながら、
酒精の匂いにむせて膝をついた。
濡れ石に足をとられ、
両手をついた。
水溜まりに暗い夜空が映っていた。
流れていく雲たち。

自由はここにあったしそこにもあったんだ。
孤独であることは鏡に写る自分を見ることだ。
いや、鏡の自分に本当の自分を見せればいい。
目をつぶる僕とそれを見ている鏡の自分。
鏡の自分は目をつぶる真実の自分を見ることができたのか?
相対化する自分こそが孤独の魂。

水面に手を入れてかき回してみた。
虚構は悪戯な悪意にすぐに壊れてしまう。
静まるとそこには白い月が映っていた。
満月でもなく三日月でもなく、
それは中途半端な半月だった。

遠い日に想い出すことはなに?
近い日に想い出すことはなに?
振り返りながら君は笑って言う。


自由詩 絶望を避けながら Copyright beebee 2008-04-07 22:38:38
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君に伝えたいこと