凍らない川
砂木

溝が流れの通り道

濁りの淀む
吹き溜まりには枯葉
それでも雪解け水は
地上へ
いななき駆け下りる

暖かさの消えた夜
水面の波は途絶える
幼い土の寝床の中
凍えるに違いない朝を
震えて噛み締めていても

どくんどくんと血脈が巡る
どこまでも溝を流れが流れる
雪解けの水が
暗い冷たさをかきまぜて
凍るな と

痛みの忘れた頃 
溝は 春の川
淀みも押し流される



自由詩 凍らない川 Copyright 砂木 2008-04-07 22:29:05
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