つぎはぎ人形 
服部 剛

○さんも 
△さんも 
□さんも 
毎日々々お互いの 
足りないところを 
ああだこうだ言いながら 
日々の暦は止まらずに 
捲れ続ける 

人の文句を言うことを 
もし「いけない」と裁くなら 
わたしもふんぞり返ってしまうので 
ああだこうだの言葉をそのままに 
ぎこちない両手で包んでは 
静かにうなずくばかりです 

なによりもわたし自身が 
つぎはぎだらけの胴体に 
「こころ」なんぞを埋め込まれた 
ヒトという名の人形です 

なんにもできないわたしが 
なんで地上にやってきたのか 
知らないが 
今日という夢のあらすじの 
目の前に姿をあらわす 
○さん
△さん 
□さん 
の前に膝をつき 
仕えるためにやってきたわたしは 
がらすの瞳であなたをみつめる 
つぎはぎ人形 








自由詩 つぎはぎ人形  Copyright 服部 剛 2008-04-07 00:10:25
notebook Home