落花から葉桜へ
山桜

無心の空に 雲がとおくまでたなびいていた

いちばんの孤独を慰めてくれたのは君だった

きみが口ずさんでいた はかない歌
橘の花に夕立が降っていました
蜜柑色のとっぷりしたくうきのもとで
わたしは 
きみの愛した歌を 口ずさみました

ずっと きみの身代わりを探していたかと気づけば
わたしはほんとうにかなしくなる
恋の相手求めています
あなたの面影求めています

きみの淹れてくれたホットドリンクは
こころに 沁みました
葉桜は いいにおいがするものだと
きみが 教えてくれました

どうか もういちど 逢いにきてほしいと
思うのだけれど

そんな想いで木の枝から散りゆく桜を
雪のうつくしい、と


自由詩 落花から葉桜へ Copyright 山桜 2008-04-06 05:55:58
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