傍らの友
服部 剛
もう何も語ることのない
骨壷に納まった君の前に
坐って両手を合わせた翌日
通勤電車に腰かけた
僕の傍らのリュックには
三年前に君がくれた
紐で結んだ紙を束ねた
自作の詩集が入っている
幾夜もの心の闇と闘った
君の孤独な魂を
リュックにまわした腕で
僕は黙って抱きしめる
自由詩
傍らの友
Copyright
服部 剛
2008-04-04 23:24:06
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