チベットに自由を!!
モリマサ公

月曜日
地面に並べられた各種弾頭のことを考える
打ち上げられたスペースシャトルの存在を信じながら
リリシストたちの高い志をリスペクトし
雨上がりのひんやりとしたゼリーのような空気の中を
ゆっくりと自由に前へ進む
空気を押しながらそれを
呼吸する
ここは国境じゃないし
あたしは自分の国を捨てようとして信仰のためにあるいてるわけじゃない
一キロ先の自宅方向から焼けこげていくなにかの匂いがしていて
上空をヘリが旋回してる
不安だ
冬が行こうとしてる
春が来ようとしてるオンザロード
何も無い星に届く太陽の孤独なしろい光には
太陽を孤独に仕立て上げたあたしたちの強い思い込みが裏側に存在してて
雑踏へおりてくるハトが地面をつついていて
つつく瞬間ごとに誰かが無駄に命を落とすのがなんとなく理解できる
深く
深い今がみえる
底が見えるから深いのがわかる
どこまでもなにも見えなければなにも怖くないのに!
左カーブのゆったりとした重力の中を少しずつ加速しながら
東京拘置所の外壁にもれてくる空気をみてる
自由?てゆーか実際はみえないものを見たようなきになって
いつか戦いは終わるんじゃないかとただなんとなく楽観視してる
おれたちはみじめじゃなかった
毎日食うものにも毛布にも困らないし
ここは国境じゃなくて
おれは自分の国を捨てようとして信仰のためにすすんでいるわけでもない
おれたちは無差別なテロリストたちが最初は赤ん坊だったことを忘れないが
さっきから低空を旅客機が腹を見せて横切るたびに
忘れてはならないことがあることをまた今もおもいだしてる
強く
強いひかりがさしてる
かげが無いから怖いのがわかる
流動的な輪郭が人類レベルから個人へとうつっていくのがわかる
叫びながら街灯の上でカラスがばたつく
ばたつくごとに誰かが無駄に命を落とすのが何となく理解できる
それらに加担してる自分という現象がぶれながら重なる
深く
深い今はみえない
底がないうえに上もみえない
落ちているのか浮かんでいるのかすらも今はもうよくわからない
君たちは
毎日食うものにも毛布にも困らない
ここは国境じゃないし
まして自分の国を捨てようとして信仰のためにすすんでいるわけじゃない
だれもわたしたちを殺したりしない
だれもわたしたちは殺したりしない

  



自由詩 チベットに自由を!! Copyright モリマサ公 2008-04-02 22:23:31
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