桜、道しるべ
こゆり
君の、記憶の色をたどり始める
少し暖かくなってきたね、と
それでもふたり半分ずつ
かさなりあって歩いた
はや足のきみに
半歩だけ遅れる、わたし
つないだ手と手
暖かさはぐるり、ひとまわりして
あの時、伝えきれず
落ちていった言葉たちを
すくい上げては
咲かせていく
君の街ではもう
咲いているのでしょうか
君の言葉はもう
薄桃色の空をたどって歩く
行き先は
自由詩
桜、道しるべ
Copyright
こゆり
2008-04-02 16:29:12