鳥居
士狼(銀)

首を落とした鶏が暴れるのは
別に不思議なことじゃないのに
暖炉が静寂を守っているのは
追いかけられない影があるからだ

その向こうの向こう側にある曲がり角を
右に折れてすぐの
鉄骨だけ組まれた廃墟は
赤い鳥居を幾つも
いくつも並べたように静まっていて

譲り合えない領域を知っている小鳥は
錆びた足元から滲み
地面にうずくまるそれを
揶揄するでもなく眺めている


自由詩 鳥居 Copyright 士狼(銀) 2008-03-31 13:13:16
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戯言と童話