暗闇れもん

カラカラと音をたて壊れ行くこの身は
元々わたしでは無い抜け殻のようで
幼い頃に捨てた
黒い目の取れた熊の縫ぐるみのようでもあった

無邪気な残虐さが熊の口を針と糸とで縫い上げた時の様に
わたしの口は何も語らず

可愛い手足を興味本位でもいだ時の様に
わたしの手足は動かず

何かの儀式のように目や耳を千切った日の様に
わたしの目や耳は使えない

これは罪であり罪でない

単純に語れぬ歌

ただ唯一残った意識だけが
捨てたあの日の熊の目を探し続けていた

そうこれは歌

レクイエムなのだよ、君


自由詩Copyright 暗闇れもん 2003-09-06 23:32:34
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