終の森
umineko

世界が
よくない方角に
倒れこもうとしている様は

ちょうど
伐採される老木の
ゆっくりと
森に倒れる姿にも似て

何もかもがスローな速度で
笑い声も
ブランコも
つないだ手と手も
みんな

そのまま朽ちてゆくんだよ

私の孤独よ
あなたに響け
真昼の
ロケット花火のように

見えない場所に
音だけ残す

森はもう
終わりの季節だ
すべてが
スローモーションだ

世界が
このままついえる前に

私は
あなたに伝えたい

私は
夕暮れの意味を

あなたに教わったのです、




               

               (tui no mori)


自由詩 終の森 Copyright umineko 2008-03-30 22:39:01
notebook Home 戻る