光の天使〜1
草野大悟
光の天使が突然僕の前に現れたところから
僕らの小さな物語は始まる。
そのころ
小説を読みまくっていた僕は
学校や、同級生や、先生や、その他の
世の中の大多数の大人達に辟易し、半ば馬鹿にして
12歳は十分に大人だと、
決して彼らみたいな一生は送らないと
堅く、堅く心に決めていた。
中学2年の春
僕は桜の花びらの中に
君を見たのだ。
君は光そのままに笑い、
そこにいるだけで輝き、
周りの全てを包み、
温かな心地よいオーラを放ち。
どうも、僕だけではないらしいんだ、
そんな風に感じたのは、
どうも、僕だけではないらしい。
君は
ただ、そこにいるだけで
そう、太陽のように
ぽかぽかとまわりを暖かくし、
ただ、そこにいるだけで。
さよなら
夕陽の中に
生徒会で下校時間を過ぎて僕が校庭の水飲み場近くを通りかかった時
突然
空から
そう
僕には
天使の声と思えたんだ
おかしな話だけど
天使の声と。
声は
夕陽の中から
きらきら
きらきら
ヴァーミリオンに輝いて
伸びやかな素足と
両手と、ショーカットの笑顔と。
あ、さ・・さよなら。