遠い風景
Etuji

陽炎のなかでゆらぐ
私を呼ぶ声がする
ふりむくと
呼んでいる私がいる

陽が奈落へ落ち
街が色彩をなくしてゆく
すべてが風のながれのなかに消えようとする
きっと思い出されることのない風景

その遠い風景のなかから
私を呼ぶ声がする
たしかに私を呼ぶ声が聞こえるのだ。


自由詩 遠い風景 Copyright Etuji 2008-03-30 10:31:35
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