冷戦
sekka
戦争は終わったのだろうか?
今は風の音しかしない
誰もが色んな言葉を口にして
感情的で緻密な作戦を練って
或るものの為に戦った
羞恥心は捨てて訊きたいことは全て尋ねた
言葉が溢れて 愛しいあなたの瞳に
幾ら醜く映ったとしても
目線は逸らさなかった
無邪気は私の武器だった
誰が勝ったのか?私は勝ってない
だが 負けてもない のだろう
今は口を噤んで言葉を探している
後悔とも反省とも似てて違うものを抱えて
そして私は未来をどうしたいのだろう?
言葉がこの世から亡くなったわけではない
本心の見せない人に訊く気力が無くなっただけ
目の前にいる愛しい瞳に映る私は
未だにまっすぐ見つめたまま
口に盛った言葉を差し出さないでいる
風の音だけが私たちの間を
しきりに流れるから
まだ伝えたことのない侘びの言葉で
沈黙を破ろうかと思ってみても
口が言葉を思い出せない
自尊心は最後の武器だろう