冷戦
sekka

戦争は終わったのだろうか?
今は風の音しかしない

誰もが色んな言葉を口にして
感情的で緻密な作戦を練って
或るものの為に戦った

羞恥心は捨てて訊きたいことは全て尋ねた
言葉が溢れて 愛しいあなたの瞳に
幾ら醜く映ったとしても
目線は逸らさなかった
無邪気は私の武器だった

誰が勝ったのか?私は勝ってない
だが 負けてもない のだろう
今は口を噤んで言葉を探している
後悔とも反省とも似てて違うものを抱えて
そして私は未来をどうしたいのだろう?

言葉がこの世から亡くなったわけではない
本心の見せない人に訊く気力が無くなっただけ
目の前にいる愛しい瞳に映る私は
未だにまっすぐ見つめたまま
口に盛った言葉を差し出さないでいる

風の音だけが私たちの間を
しきりに流れるから
まだ伝えたことのない侘びの言葉で
沈黙を破ろうかと思ってみても
口が言葉を思い出せない
自尊心は最後の武器だろう










自由詩 冷戦 Copyright sekka 2008-03-30 00:36:07
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