青春 II
井岡護

                    金あからむ茶碗のおと
                    禁煙席のけむり黄緑を
                    燐であえ口にほおばる
                    隣りには黒い耳の大猿
                    根腐りあきなおも私は
                    今はとおくのあの時を
                    円で買い取り家に運ぶ
                    園におるは藤とあそぶ
   か                貂の仔らその毛の形は
   わ                天おう煙全て炎のあと
   きか
   とつ
 混線してゆく
   めと
   りい
    ま




    あのロメイ嘆く氷と大理石の荒野
     までコンスタンチヌスの永遠
      たる吐息とハリスツスの
       輝く風は駆け渡る心
        やましき狼達も
         かなわぬ炎
          は空の
           青


自由詩 青春 II Copyright 井岡護 2008-03-28 22:34:16
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