成る身だ
太陽の獣
埃の舞うなかで
それを吸い込んでしまうのは
致し方ないことだろう
それ故に
汚れていくのは
望んではいないにしろ
そうしなければならないのかもしれない
いつしか諦め
せめて綺麗な景色を見てみたいと願うようになり
自らの意思で吸い込むことを望んでいた
そうして現れる山や川や空を
美しい、と
その時に思えることが出来ないかもしれないと
左腕を埃の内に溶かした後に気付いた
そして、もうすでに再生は難しい、いや不可能であると
押さえつけられながらも
かろうじて機能している右脳は叫んだのだ
やがて私は消えるだろう
形のないこの思考でさえも散り散りになり
もはや埃以外の何物でもない存在と化し
ただただ景色を汚しながら漂うのだ
誰かの見る景色を汚しながら
誰かの左腕を喰い潰しながら
誰かの思考を奪いながら
誰かの存在を消しながら
漂うのだ
ただ、ただ
漂うのだ