成る身だ
太陽の獣

埃の舞うなかで
それを吸い込んでしまうのは
致し方ないことだろう
それ故に
汚れていくのは
望んではいないにしろ
そうしなければならないのかもしれない

いつしか諦め
せめて綺麗な景色を見てみたいと願うようになり
自らの意思で吸い込むことを望んでいた
そうして現れる山や川や空を
美しい、と
その時に思えることが出来ないかもしれないと
左腕を埃の内に溶かした後に気付いた
そして、もうすでに再生は難しい、いや不可能であると
押さえつけられながらも
かろうじて機能している右脳は叫んだのだ

やがて私は消えるだろう
形のないこの思考でさえも散り散りになり
もはや埃以外の何物でもない存在と化し
ただただ景色を汚しながら漂うのだ
誰かの見る景色を汚しながら
誰かの左腕を喰い潰しながら
誰かの思考を奪いながら
誰かの存在を消しながら
漂うのだ


ただ、ただ
漂うのだ



自由詩 成る身だ Copyright 太陽の獣 2008-03-28 10:11:31
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