春離れ
簑田伶子
1.
上履きの色は赤か青で
たまにみる緑が
私はうらやましかった
ぺたぺたと
音もなかった
たくさんの足
あの
はためく日の丸をもう
みることがないから
ここがどこかわからないのでは
ないよ
2.
屋根のない
橋のような渡り廊下が
すきで
雨の日は
ひたひたになった床に
すべりそうになったけど
傘をささずにいても
不自然じゃないのは
あの場所しかないとおもっていて
毎日が
大雨ならいいのにって
おもっていて
3.
話
は
(スカートのひだの数まで校則で決まっていて
(ばかみたいだって笑いあう間に
終わってしまいました
孤独だなんて
当たり前のことを言って
ばかみたいだって笑いあう間に
終わってしまいました