face less
三上あず

耳を塞いで閉じこもった
自分の殻はあたたかかった
響く音は反響して次第に大きくなっていく
小さい身体を小さく丸めてこのまま消えてしまいたかった
響く言葉は無辺世界
さよなら 再び会えるなら

瞳を閉じて塞ぎこんだ
漆黒の闇はやさしかった
僅かな光でさえも全てを照らし出していく
冷たくなった身体はそのまま凍て付いてしまえばよかった
見える全ては反実仮想
もすこし綺麗に笑えるわ

口を噤んで引き篭もった
その空間はなぐさめだった
聞こえる声は激しさを増してそのうち私を責めてくる
失った感情ちっぽけな夢 全て語るに及ばない
紡いだうたは三千世界
壊れたものはもう要らないの


自由詩 face less Copyright 三上あず 2008-03-27 18:53:59
notebook Home