檸檬
かや
新調したエナメル靴の横に
男の吐瀉物が置かれていて
半透明の中身は
昨夜のサーモンやパスタやブロッコリーがそのまま
散らかした紙くずは
あっさりと片付けられ
返却期限のDVDは持ち去られ
あっけらかんとした部屋に
一つの闇
それは「檸檬」みたいに思えて
すましている靴の前で
顔を伏せて小さく泣いた
自由詩
檸檬
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かや
2008-03-24 01:05:59
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