零
倉持 雛
そこは、海だったかもしれない
砂漠だったかもしれない
眩む赤に息をしたとき
空っぽに鳴いた
ざわめきを愛ととらえて
神様から定数を与えられる
わたしは、魚だったかもしれない
雛だったかもしれない
溶ける青を見たとき
戸惑いに溢れていた
漂う無限に満たされて
少し、大きくなった気がした
静かな朝
眠い瞼あければ
そっと、
生命のはじまり
自由詩
零
Copyright
倉持 雛
2008-03-22 22:33:17