挿絵
たもつ
コピー機の隣に
幼なじみが立っていた
靴を片方なくしてしまったと
挿絵のように
静かに泣いていた
右手を左手首のあたりに添えるしぐさは
昔と同じ感じだった
野で摘んできた白い花を
複写して見せた
それから今度都合の良いときに
たくさんの靴を買いに行こうと約束して別れた
あの日の白い花が
ヒメウズだと数年後に知った
もう誰かのために
泣かなくてよかった
自由詩
挿絵
Copyright
たもつ
2008-03-22 12:28:34
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