愛の戦士
桜 葉一
プリキュアが好きな君は
まだ小さな体にも関わらず
まるで男の子みたいに活発で
倍くらいある身長の僕に飛び掛ってくるし
ときどき乱暴な言葉も使うね
だけどね僕は
そんな君の可愛いところも知っている
かくれんぼを2人でしたとき
君は僕をなかなか見つかられなくって
泣いてしまったね
僕はそれがうそ泣きだって知っていたけど
わざと見つかってあげたんだ
君がニタっと笑って
「みっけた」と言ったときにはもう
やっぱり涙なんて見えなかったね
君が隠れる番になって
君は必死で堪えていたみたいだけど
クスクスと笑い声が聞こえて
僕はそれをわざと聞こえないフリをして
見つけなかったんだ
そうしたら次第に隠れているのがさみしくなって
我慢できなくなって
「なんで分からないのさー」って言って
出てきちゃったね
「ねぇー今度は一緒にかくれよっか?」って
それじゃあ誰が見つけるの?
それならいっそ君の好きな冒険に出かけようよ
君は負けず嫌いで
だけどかまって欲しがりで
みんなで鬼ごっこをやったとき
君ばっかり追いかけてたら
「なんでわたしばっかりなの!」って
すぐに怒るくせに
追いかけなかったら追いかけなかったで
それでも怒るんだ
僕が他の子を追い詰めていると
その後ろにこっそり近づいてきていることは
君の得意なクスクス笑いが聞こえるから
すぐに分かっちゃうんだよ
急に振りかえって
君をつかまえようとしたら
「いまタンマだからね!」って
そんなずるばかりする君が鬼になったら
きっと得意なうそ泣きで僕を困らせるんだろうね
君はおままごとをやったらなぜか知らないけれど
お父さん役をやりたがるね
君はお医者さんごっこをすると僕の腕に
必要以上に包帯を巻きつけるね
君は絵本を読んであげていてもすぐに
「やっぱり、こっちの読んで」って最後まで聞こうとしないね
君はだるまさんがころんだをするといつも
はじめのいっぽに勢いをつけ過ぎるから止まれないよね
君はおばけなんて怖くないって言ってるくせに
昼寝すら1人でできないよね
君は食べ始めは早いくせに好きなものを最初に食べちゃうから
食べ終わるのは結局遅くなっちゃうよね
君が描く絵は猫も犬もウサギもネズミも
みんな見分けがつかないね
君は歌が好きみたいだけど歌詞も音程も
ところどころ間違っているね
君は僕のお嫁さんになってくれるって言ったけど
幼稚園には好きな男の子が3人いるみたいだね
君は笑顔が可愛いね
君は笑い声が可愛いね
君はくしゃみが可愛いね
君はあくびが可愛いね
君はふくれっ面が可愛いね
君は
君は
君を見てるとなぜだか元気が出てくるね
君は可愛い戦士
僕にとってのプリキュアだね