雨の流れかた
水町綜助



目から涙が
流れるのを見ている
左耳を枕に押し付けて
横たわって
右目の目頭から
左目の目尻から

梅雨の日のガラス窓
流れて渇いて
それを部屋の中から眺めているような
すこし肌のおうとつで
うねっていくのは雨で
涙じゃない
内側から眺めていて
僕は濡れてはいなく
窓の外に立ってはいない

僕は涙を
流れているのを見ている
右目の目頭から
左目の目尻から
流れているのを見ている
その流れ方をじっと凝視している
血管のような流れ方だとか
川ではない流れ方だとか
思いながら






自由詩 雨の流れかた Copyright 水町綜助 2008-03-22 01:09:37
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