はちみつパイ
愛心

スニーカーオタクで

イヤホンつけたまま

大声で歌う

そんなあんたに


自分の意思

全く曲げなくて

やりすぎて 頑張りすぎて

身体壊す

そんなあんたに


ふざけて

ちょっと褒めただけで

指先まで真赤になる

そんなあんたに







そんな あんたに







私は 惚れた








「カッコイイ女になる」

それを封印し

オンナに

なることに決めた



恋する女の子は 可愛くなれる




鼻で笑ってた

そんな言葉を信じて


雑誌の片隅

擦り切れたインクで書かれた

おまじない





それは まるで はちみつ





とろりとした



恋ココロ






ある日

家庭科で作った

自分のココロを

流し込んだ

はちみつパイ

あんたに 食べて欲しくて

願いを込めて

オーブンに入れた

























願いが強すぎたのかもしれない

焦げた




勇気を出して渡す

その予定が

音を立てて×印を付けた






放課後



部活で 汗だらけの君が

私の隠した袋を見つける

スポーツドリンク片手に

微笑み

袋をひったくった


俺 甘いもん初めて食べる



嬉しそうな君が


初めて食べた


甘いものは


私が作った失敗作


苦くて 甘い


はちみつパイ





うまかった






恋ココロを

食べられてしまった気がした




切ないけど

心地良い 痛み







告白

今日は出来ない

けど明日こそ

言おうと決心した




最上級の

はちみつパイと共に





自由詩 はちみつパイ Copyright 愛心 2008-03-21 22:13:34
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