赤の球体
西日 茜

原始脳である赤の球体はモノクロームの格子柄の上にあって
意識化された恋人の象徴であった

多くは扱いを知らないで弄ばれて腐っていく球体
もはやグレイを帯び翻弄され暗闇に追いやられる

しかしよほど打たれ強いのか
消えかけていたシャドウから蘇ったりしている

しばらくすると元の形になって
ふたたびモノクロームの格子柄の上に浮かんだ


太らされ、痩せさせられて(受動的もしくは不実な)
意識化された対象の化け物は自在に変化する

自らの原始脳が求めている球体の赤は
それが当たり前のように生きている

全てを吸収し飲み込んでいく
まるで日常的に繰り返される球体の変化

意識化されて生かされている



自由詩 赤の球体 Copyright 西日 茜 2008-03-19 21:32:44
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