飾りについて
狩心

詩は
飾る事じゃない
もしあなたが
飾りを身に着けているとしたら
生皮を引ん剥いて
天日干しにしてやる

そこで耐え難いほどの
痛みを感じればいいだろう
触ると火傷する
マイナス180℃の世界だ

恐怖は友達
それを合言葉として
独りで歩めばいい
血も肉も無い頭蓋骨が
積み重なる針の山を
寝転んで愛撫するがいい

声がするのなら
それは壷の中に捻じ伏せて
幽霊を封印する御札で
閉じ込めておけ
御経は唱えるな
壷は紐で縛り
腰にぶら提げておく
その重力
体が動かないほどの
「愛して!」の山を

目を潰してやる
もっと健康になるように
叩いて平べったくしてやる
それを印刷機にかける
立体を平面に戻す時
地割れが起こり
都市という都市は
声と共に崩れる

陰極する大気の渦
手の平の生命線を延長して
届くのか大気圏まで!

膨張しているのは宇宙ではなく
あなたの血管
破裂したがってる
閉じ込められているから

破裂したがっている
それ以外あるだろうか
光のような詩が
あるだろうか
あるはずもない
すべての詩は血管
それ以外に
あるはずもない

好きなだけ隠喩すればいい
もしそれが
飾りでないのならば



















自由詩 飾りについて Copyright 狩心 2008-03-17 19:45:56
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