「プレゼント」
ベンジャミン


娘が
私の誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった

細長い化粧箱

包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた

娘は
私がそれを手にするのを確認すると
ニコリと笑っていつものように
二階の自分の部屋に行ってしまった

確かに
少しばかりゆるんでいたネジがあったような

私は
手にしたドライバーで
思い当たるところを数ヶ所しめてみた
特に何か変わったような気もしなかったが

次の朝
私は久しぶりに家族そろって朝食を食べていた

娘は
やはりニコリと笑って
「行ってらっしゃい」と言ってくれた
私は
「行ってきます」と返事をして家を出た


そんな当たり前のことが
何故かとても懐かしく感じられた




    


自由詩 「プレゼント」 Copyright ベンジャミン 2008-03-17 01:29:41
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