ora
佐々木妖精

鉄砲玉の家系です
誰も戻ってきはしません



吉野家へ行きました
思えばこれが東京の味でした
修学旅行の列から浸み出した
初めての味でした


今後戦争などというものへ辿り着くなら
それは私とあなたの間で起こるでしょう
その時私はどちらにいるでしょうか
どちらにいても武器を取るでしょう
思想の色で見分けがつかないのなら
言葉の音で見分けたいところですが
あいにく私は標準語です


今後戦争などというものへ辿り着くなら
それはあなたと私の間で起こるでしょう
その時あなたはどちらにお住いでしょうか
どちらに居ても武器を取るでしょう?
肌の色で見分けがつかないのなら
なまりの音で見分けたいところですが
あいにく私も鉄砲玉です

立ち止まった人にしか見えないものがあるように
走り続ける者にしか見えない景色があります

下降する弾丸が
あなたを

ごめん



自由詩 ora Copyright 佐々木妖精 2008-03-16 12:16:31
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