低い丘
nm6

鉄塔が暇をつぶしているのだった。愚痴をこぼす鳥ばかりだった。灰色というよりは銀色だと雲を羨む雑草に春が来ようとしているのだった。丘陵と呼ばれてもいつも誰も振り返らなかった。ひろい世界は渋谷駅に向かう途中だった。わからないことばかりが多すぎて、いつしかきみにも羽が生えてしまうのだった。

フランジャー、フランジャーにのせて、きみを宇宙につれていくはずだった。
あるいは低い丘。



さようなら、といわなければいけないのだった。
プレイ・アズ・ユー・ライク、



風車が風邪で鳴っているのだった。愚痴をこぼす鳥ばかりだった。緑色というよりは金色だと雑草を羨む雲にも春が来ようとしているのだった。丘陵と呼ばれて長いことを本当は知っていた。あおい地球はアメリカに飛ぶ途中だった。わかることすべて知らないフリをして、センチメンタルが頭上から飛び降りる。羽は生えてしまった。そうだ、いちばん好きな曲はあれだ、フランジャー、フランジャーにのせて、きみを宇宙につれていくはずだった。あるいは低い丘。


自由詩 低い丘 Copyright nm6 2008-03-16 00:01:24
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