彼女の左腕
由志キョウスケ

右手のスティックで地球儀を叩き壊す
白い硝子の地球儀
粉々に砕けて、僕の指を傷つけた

左手でラジオのスイッチをいれてみる
(ノイズ)と衝突する人々の声
嗚呼、あれは
最後のファンファーレ
初めての、もう二度とない祝福

乾いた大地に花びらが散る
君の右腕を引きずって
僕は一本道を、どこまでも歩くだろう

君の左腕を見つけに

立ち止まる処はどこにも無くて
地平線の果てにも、何の望みも無くて

それでも
僕は歩き続けるだろう

君の左腕を探して

ずっとずっと、歩き続ける――


自由詩 彼女の左腕 Copyright 由志キョウスケ 2008-03-14 21:39:38
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