ナンセンス
士狼(銀)

   油絵が描けなくなるくらい圧倒的な夕焼けを見た(、シンナーで溶ける?)キャンパスにカッターナイフを突き立てて、密室は寂しいから窓を作った。噎せるような金柑の香り。

Fw:

 鍵盤が重い。弱音ペダルは踏まれたままで、石化してゆく指に(、右手だけのエリーゼ!)愕然とする春。調律されない悲鳴は狂気を孕み、楽譜に記されたglissandoが抹殺される。

    ダウンライトは寂しく、ペットショップは悲しくなる。柔らかな淡雪へ俯き加減な十八時五十七分と六秒。白濁した眼が開かれる(、動かないカーテンレール。)夜は落ちて。


自由詩 ナンセンス Copyright 士狼(銀) 2008-03-14 18:57:08
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戯言と童話