よしおかさくら

水彩画の背景を
紫の濃淡で塗りつぶしたことがある
いつも通りの'Aをもらい
わたしはそれを忘れ去る

あれは何の背景だったか

紫は
幸せのように見え
不幸せのようにも見え

甘く甘く煙る空気は
ひっそり囁く流れで
知らないふりの小川
氷点下だと云われて
伸ばしかけてやめた手
いいのにね凍ったって
先にある蜜の味さえ知れたら

幸せのように見え
不幸せのようにも見え
悲しみでなく
やはり
哀しみであり


自由詩Copyright よしおかさくら 2008-03-13 11:41:10
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