神様
たもつ

小さな神様が
春の雨に打たれていたので
傘をさしてあげた
神様はありがとうを言って
釣竿を垂れると
雨粒の中から
虹色の魚を釣ってくれた
魚は苦しそうに跳ねていたけれど
自分は誰も苦しませることはない
と神様は優しかった
雨が上がって
建物の向こうに本物の虹が見えた
昔、このあたりにも
大きな空襲があった


自由詩 神様 Copyright たもつ 2008-03-11 08:38:00
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