世のなかへ
砂木

歌詞を忘れても歌える歌
力のない私に吹き込まれる
命の息吹

口をついてでる言葉がない時
諦めた いいわけばかりが
心地よい

でもそればかりを唱える事を許さない
新たな思いはどこからくるのだろう
忘れられて 忘れさせて
もうすっかり 信じてないのに

くたびれた制服にひきずられて
稼ぎと共に 日々がまわる
かえってこない 終わった時間

雇われているのは何にだ
体に 宇宙に 雲に 神殿に 月に

小さな足跡を消すものは たくさんある
いまさら消されゆくこの体の源を
絶つ必要がどこにある

静まることが正解じゃない
正論だとしても 正当だとしても

夢しかくだくものがない
ガラスもない グラスもない 他人もいない

意味につきまとうな
進め

沈黙する歌の水脈よ
私を 押しだしてくれ






自由詩 世のなかへ Copyright 砂木 2008-03-09 22:41:38
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