出口
プテラノドン

今夜も、
工場員たちは勇猛果敢に酒を飲み、
車を運転して帰るだろう。彼らは警察に捕まらない、それって本当?
ー壁にぶつかるだけさ。
街中で、
衝突して瓦礫のように崩れた
社会に立ち現れるそれと同じ壁を見る。

新たな出口は、
与えられた場所以外にも、出口はあった。
校門が一つだけじゃないように。
野良猫と目が合う、
穴のあいたフェンスの向こうには、
POLICEの看板が立っている。
通い馴れた者たちには、その警告が
嘘だとばれているのに、いったいいつまで。
中傷めいた落書きそのままに、
電気コードに繋がれていなければならないのか。
誰かを待っているとでも?
待ち続ける誰かの頭の中にもー出口はあって、
変換不可能な可能性を開放するのに
一ダースほどの鉛筆を費やすことが出来るが、
実際は使い切ることは困難だと私たちは
学校生活において嫌というほど学んでいるし、
こうしてまた学びつつある。

 冬の日の灰色、寂れた遊園地の迷路。
入口でも出口でも構わない。大きくあいた
恐竜の口をくぐる者はいない。
遥か頭上を、ジェット機が飛んでゆくだけ。
そして、ペンキがはげ落ちて、もはや
亡霊と化したピエロの看板が、
降ってくるはずもないビラを受け止めようと
両手を天に、突き上げている。
じきに、哀れな手の平に雨粒が落ちる。
ー誰かが泣いている。そう思うのは自由だけど、
まったく、ギロチンみたいな舌だね。
「死ね」だなんて。
そんなの誰も待っていないぜ。


自由詩 出口 Copyright プテラノドン 2008-03-09 19:28:31
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