鎮魂歌
こしごえ
おもいでの形見
私にとってこれは
変わらないことのひとつ
ここには風は吹いてこないけれど
ほがらかなひだまりがぽうっとしている
いつまでも
微笑する宇宙のふちで。
私の子午線をよこ切る
水声の清らかな尾を耳でつまむと
かわいらしいのどごしで
あふれる調べ
私の知らない世界を
知っているおもいでの形見
この懐かしい未知なる遠さ
コンパスで描かれた未到の設計図で
永遠を葬送する雨を降らす日
濡れる声が歌う
星の瞬く岸辺で
耳がかたむいてゆく
自由詩
鎮魂歌
Copyright
こしごえ
2008-03-08 14:35:31
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